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人魚の鱗とオレンジジュース。
category: 日々つれづれ

梅の写真を上げたら雪ですよ。

もう確実に黄色い粉も飛んでいるというのに。

 

本日はまた映画の感想など綴ってみます。

若干ネタバレ気味ですが、大事な部分は伏せてある……はず。

一応少し長めに改行しますね。

 

 

 

 

 

 

 

『ゆれる人魚』

 

現代版『人魚姫』はお洒落でエキセントリック。
最後のスパイスがきいています。

童話と違うのは、最初の人魚姫の足は「仮の変身」なところ。

なので水に触れると魚の尻尾に戻ってしまう。
でもって局部は人形のようにつるんとしており、つまり生殖器官も排泄器官もない。
そんな身体で人間の男性を愛してしまい、どうしても人間として認められたい人魚姫シルバー(姉)が選んだのは「人間の女の子の下半身を手に入れること」。
観ながら心の中で「やめておけ絶対に駄目だ、それもう確実にバッドエンドフラグだから!」と小姑のような突っ込みをしていました。

だって失敗したら海の泡なんですよ!

でも恋は人魚をも盲目にさせ、悲劇がまた新しい悲劇を呼んでバッドエンドに突進していくわけです。
そして悲しいかな心変わりされる決定打、彼の気持ちも分からなくもない。

 

その横でいい味を出しているのがゴールデン(妹)の方。
設定的にセイレーンも含んでいて、ナイトクラブの客であった人間の男を誘惑してデートに誘い、心臓を食べてしまう。
テキストでこう書くとなかなかエグいんですけれども、ナイトクラブが舞台でミュージュカル仕立てということもあり、劇薬をお菓子とラメでラッピングしたような感じで妙に可愛い。
人魚達の衣装がまたいいんですよ。
赤いベレーにスカーフで制服風だったり、兎耳に、魚の尻尾に網タイツならぬ網カバー(?)でバニーだったり、フェティッシュで最高です、こういうの大好き!
トレイラーで「この衣装や世界観好きだ」と感じた方は観て損はないと思います。

 

 

 

『スリー・ビルボード』

 

『スリー・ビルボード』公式サイト

 

正直に書きますが、タイトルから内容を少し勘違いしていてスルー気味だった作品です。
でも脚本の評判が良くて、少しでも仕事の参考になれば……と思い観に行ったのですが、大当たりというか頭を殴られたような感じです。

観て良かった……!!!


カテゴリ的にはサスペンス? バイオレンスでもあるような?

でもオレンジジュースなんですよ、オレンジジュース。

 

物語はミルドレッドという女性が、誰も通らないような田舎道に三枚の看板を出すところから始まります。
看板の内容は以下の通り。

 

『犯人逮捕はまだ?』
『ウィロビー署長、何故?』
『レイプされて殺された』

 

ミルドレッドはその死亡した女の子の母親なんです。

となるとその署長に何か裏があるのかしらと思いますよね。
ミルドレッドに喧嘩を売る、いかにも「差別大好き、力は正義、言って分からない奴は殴ればいいんだぜぇ! ヒャッハー!」のような描かれ方をする若い警官もいるんですよ。
でもオレンジジュースだから。

 

このミルドレッドママは犯人を捕まえてくれない警察に対して火炎瓶をぼんぼん投げ込んじゃうような人で、もう途中から彼女が悪役ポジションになってきます。
でも彼女は誰にも言えない呪いがかかっている。
その娘さんが殺された日、家を出て行く前に「車貸してよ」「貸さない」という親子喧嘩をしていて。
車を貸さないミルドレッドに娘が「私がレイプされても知らないから!」と捨て台詞を吐いて出て行くわけです。
それに対して苛ついていたミルドレッドが「レイプされてしまえ!」と返しているんですね。
そしてその言葉通り、娘は乱暴され焼死体となって見つかった。
誰も通らない田舎道なので、目撃者もなく犯人の手掛かりは一切無い。
ミルドレッドはもう死ぬまでずっと「あの時に自分が車を貸していれば娘は死なずに済んだかも知れない」という呪いから逃げることは出来ないと思います。
書いていて辛いですが、でもオレンジジュースという救いがあるので。

 

とにかく脚本が緻密で先が読めない。

そこに俳優さん達の演技が入って素晴らしい作品です。

 

 

大事なものを喪った時に人間がどういう行動をとるかというのは、性格や置かれている環境によって違いますよね。
法に委ねるか、自分で復讐に走るか。
ミルドレッドに関しては娘に対してそういう後悔もあり、看板だろうが火炎瓶だろうが住民から非難され悪人呼ばわりされようが、辛かろうが泣きたかろうが、喪ったことに対して何かせずにはいられなかったのでしょう。

本当は優しい女性なんだろうなということが冒頭で描かれているので、尚更です。

こんなことを書いていると個人的には某作品の某誰かを思い出しますが、普遍のテーマなのだと思います。

 

ただこの『スリー・ビルボード』という作品は復讐譚ではないと感じました。
人間は善人とか悪人とか容易に分けられなくて、何かで善にも悪にもなる。
悪に見えても誰かの優しい言葉や、尊敬や誠意で何かが引っ繰り返ることもあるよね、という。
あのオレンジジュース本当に凄い。
映画館で観る時は売店でオレンジジュースを買うといいと思います。

 

 

 

『スリー・ビルボード』を観た後、柴田よしきさんの『聖なる黒夜』を思い出しました。

 

 

大切なものが突然奪われたら?
その奪った人間が反省もしない、法の裁きも期待出来ない相手だったら?
私、この作品の犯人が好きなんですよ。

好きというか、よくやったというか、行為として決して褒められたものではないのですが、憎めない。
スリー・ビルボードとの共通点はネタバレなので伏せます。
『聖なる黒夜』は分厚い上下巻で麻生と練がえらいことになっていますが、その裏側の犯人の動機がとても悲しい物語だと思います。
ただ男性同士の恋愛というか憎悪というか執着というかそんなアレが炸裂しているので、お好きな方向け。

 

でも練はRIKOシリーズから読み始めた方が魅力が伝わると思うので、あわせてリンクをはっておきますね。

 

 

興味がある方は色々読んでみて下さい。

(ネタバレを避けて上のような表現をしましたが、私は韮崎も相当好きです。奈美先生も)

 

 

来週は『グレイテスト・ショーマン』と『ビガイルド』かなと思っているのですが、『グレイテスト〜』は三月末にオープンするTOHO日比谷のプレミアムで観たら最高なのでは……?

ただそもそも、あそこでかかるか公式発表があったわけでもなく、時期的にギリギリなので悩むところ。

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